パラゼミの基本
1 自主的に来るべし
パラゼミは非公式で非公認のゼミナール。パラセンが設定するオフィスアワーの中で学生が取り組む自主ゼミだ。だからこそ”自主的”がキーワードのひとつとなる。去るものは追わず、来るものは拒まず!が基本です。やらされ活動ではなく自分で自分たちからやる活動。自分達から動き、日程調節などもして、自分の興味があることについてパラセンから教わる。
パラセンは私たちを全力の愛で指導をしてくれる!時に厳しく、時に楽しく。パラゼミの基本の「キ」は自分が決めるのだ!
2 「よく見て、聞いて、考えて」を徹底すべし
「パラゼミといえば?」と聞かれたら誰もが口にするであろうキーワードがある。それは、「よく見て、聞いて、考えて」。自分たちで設定したテーマに対して、人生の先輩パラセンが培ってきた知識・技術からヒントをもらい様々な体験をする。その体験からできる学びの場をパラはコーディネートしてくれる。体験をしていくときっといいことが待っている!今まで学んできたあらゆる科目が自然と繋がるだろう。ゼミでは主観ではなく客観的な視点を養うのだ!
3 失敗してもいいから挑戦すべし
失敗をすることで幾つかの成功に繋がる。失敗することに恐れていたら成功に一歩も近づかない、近づけない。失敗から学ぶこともひとつの体験だ。挑戦し、振り返り、時にはパラセンやゼミの仲間に支えてもらいながら成功を味わうのだ!
4 個人での学びから集団での学びまで発展させるべし!
ひとりで勉強するのは集中力も高まるから良いかもしれない。勉強した気にもなる。しかし、そこで学びを終わらせてはいけない。個の学びを共に勉強する仲間に伝える、するとどうだ。仲間から新たな学びを得るだろう、仲間の学びが自分自身の学びに変化するだろう。ひとつの学びを共に学ぶ仲間の人数分の学びに広げるのだ!
5 "やろうとしたかしないか"より"やったかやらないか"を知るべし!
2019年度パラゼミにおいてこんなフレーズがよく出てきた。「忘れました、すみません」。本当にその行為を忘れたのだろうか。いや、言い訳をつけてやらなかっただけだ。その行為を行ったかどうかで学びの差が生まれる。どこまでやったかが重要だ。締め切りに間に合わなかったときは、どうしてそうなってしまったかを振り返ればいい。「忘れました」ではなく「間に合いませんでした」のほうがやる気が伝わる。自信がなくても突き進むのだ!
パラゼミ=学びのデザイン+キャリアデザイン
はじめは、パラセンとゼミ生との間でゼミに対する考え方に違いがあった。さまざまな視点から自己の持つ力を最大限に発揮できる環境をつくることや、どのような場面でも困難を乗り越えることができる人材を育成するための学習環境をつくることを考えていたパラセンと、最初から社会で活躍できる能力を求めていたほとんどのゼミ生。「社会で活躍できる能力だけを求めているのであれば、俺じゃなくてもいいよね」とパラセンに言われたこともあった。私たちはその意味さえもよく理解できなかった。そこで、すれ違いがあった点をまずは世の中の「なぜ?」を考えるところから取り組んでいくことになった。
まずは学習の基礎的なものを知ることからはじめた。物事の見方や考え方、文章の読み方や書き方、文献検索、課題の発見、問題意識の持ち方など、学びのベースを学んだ。各々が学ぶことの基本を知ったところで、社会人基礎力を高める学習へと移行。個別のテーマを、個別のスキルでひとつのカタチをつくり、課題を明確にすることで、目標設定していく展開で進めて、そして学習することの意味を見いだし様々な体験から得る失敗と成功から、各々の自己実現、キャリア形成へとつなげられるように取り組んできた。
自主的に集まって、様々な体験から得られたものは、これ以上に得ることのない豊かな無形財産。専門学校での学びにも自分のキャリアデザインにも直結する「よく見て、聞いて、考えて」が私たちパラゼミのモットーであり、一生の財産だ。
体験活動とメンタルヘルス
ゼミをやっていると、ゼミ生個人の問題にもそれぞれスポットライトが当たることがあった。人間関係、価値観、気持ちの変化…。そんなとき、どんなことにおいても外在化する環境を存在させることが求められた。これはメンタルヘルス(心の健康)にも関わることである。外在化しないことで、気持ちと行動にどのような変化が生じるか。心の健康に強いも弱いもない。様々な体験活動から気づきを生み、フィードバックをすること、また外在化することで自分自身をいかにコントロールできるかを体験することもパラゼミにおいて大切な学びの一つである。自分の居場所ができたことは、私たちにとって大きな財産にもなった。
学ぶということ、教わるということ
私たちはパラセンから学びたいという気持ちがあったからこそ指導教員をお願いした。しかし、時折学ぶ姿勢が崩れることがあった。何か目的があるからゼミ生はパラから教わろうとする。学ぼうとする。でも、慣れてくると「こちらが何もしなくても勝手に教えてくれるだろう」などと考えることもあり、その気持ちでは何かを教えられても「へーそうなんだ」で終わってしまう。学んだことから目的達成に近づけるためにどうしていくかがポイントとなる。
パラゼミでは、「コルブの経験学習サイクル」を用いた活動を勧められていた。どのような学びにおいても、理論だけを学んだところで意味がない。体験活動や学習をする度に振り返り、次にどのように改善、活用していくかを概念化し実際に試してみる。これを繰り返してきた。
そしてなにより、学ぶということには、先に生まれた人から学ぶという楽しさがあること、関わりの中から世代を関係なしに互いに学ぶことができるということが、一番の学びだった。
文:岡本輝響,久根次海沙,松本康暉,松村修斗